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Per second」インタビュー


松原優子
Yuko Matzbara

通称:ばーまつ
装飾


第15回目は、今回もアニュータの舞台に花を添える、装飾担当松原優子氏(通称:ばーまつさん)です。装飾といわれると過去のすごい舞台装飾が思い出されるのですが、今回も負けじとも劣らないすごい舞台装飾だったのではないでしょうか。そのへんをいろいろ聞いて参りました。では、どうぞ。





アサヒ: 今回ばーまつさんは装飾と…
松原: 映像のオペをやってました。
アサヒ: だけですか?美術関係は?
松原: 美術は、口出ししているところは…特に無し。
アサヒ: あ、特に無しですか。
松原: あ、うん。今回はほんとに装飾しかやってないよ。客席の装飾と、受け付けの装飾と、舞台の装飾。なんか、「かもめ」とか「Babi cajamur」みたいに、ここの柱をこうしようよ…とかは全然言ってない。
アサヒ: あー、じゃあ普通ですけど、今回の装飾のコンセプトみたいなものは…
松原: コンセプトですか、ありますよ。
アサヒ: ありますか。
松原: うん、ちゃんと。私的に。てかいちおうヒナさんが言ってたのは、なんかもう今までみたいなカオスなやつはあきたから、シンプルなやつにしようと。
アサヒ: あー、混沌としたやつは…
松原: そうそう。混沌はやめようと。シンプルにしよう、てことになって、黒なんだけど黒の中で質感を追求したいとか…なんか、なんだろ?あんまりサイバーサイバーしてないんだけど、それなりに秩序だった空間っていうのを、目指そうっていうことだったんですが…
なんかあたしの勝手なイメージでは、テイトモダンっていうのが…
アサヒ: テイトモダン?
松原: テイトモダンっていうロンドンにあるテイトギャラリーの姉妹美術館というか、そういうのがあって、そこが…けっこう気に入ってて、構成とか全部。で、すごい気に入ってたのが、数字のついてる階段だったんだよ。そう、階段の構造が見えるようになってる部分があって、5階の踊り場が4回から見えるようになってんの。
アサヒ: はぁ。
松原: で、そこに「5」って書いてあんの。白いやつで。黒いやつの上に。おっきく。それがすっごい好きで…絶対これ試したいなって思ってて、で、今回こんな数字をいっぱい多用してんだけど…あ、だけど、あの字は好きじゃないんだよ。あたしが自分で作ったフォントがあって、それはちょっとはがされちゃったんだけど(笑)…
アサヒ: ゴシックっぽいのはダメなんですか(笑)?
松原: ちょっとアレね。おもしろくないね(笑)。そんなこと言うなよって感じだけど。
アサヒ: なるほど。…テイトモダンか。
松原: そうそう。それが好きだったっていうのと、あのなんか看板つけたかったのは、えーと新国立劇場でやってたワーグナーのオペラのリングっていうシリーズがあるんですけど、それの監督誰だか忘れたけど(笑)、その人の舞台が真っ白だったんだけどなんか看板とかちょっとついてて、今度は真っ黒でやりたいなって思ってて…
アサヒ: ほぉー。
松原: うん。で、今回はたまたま黒でやるっていうからこりゃちょっと使えるな、みたいな。 あとは、あのテープはドラマのニューヨーク警察のやつとか見てて、死体現場でああいうのやってるから… あれはね、4年くらい前からずっとやりたくって…
アサヒ: はい。
松原: チンタオで作業とかしてるときに道具をいちおうまとめんじゃん?片付けるときとかに?それをやるときに、こう「触るな!」とかやってたんだけど、こう「触るな!チンタオレコードの所有品」とか書いたテープを作りたいなと思ってて…
アサヒ: あー、なるほど。
松原: ずーっとそれは思ってて、今回やっと…なんだろ、お金がちょっとあったのと、あと4年前ほど透明ラベルが高くないだろうからさ(笑)。
アサヒ: そうなんすか(笑)。物価が。
松原: うん。よくわかんないけど(笑)。で、今回タイムリーだなって思って。
アサヒ: あー。
松原: あ、あ、あとあたしのこだわりは、あの♂のマークですね。
アサヒ: オス?
松原: (舞台を指差して)あれあれ。
アサヒ: あー、あー、あー…
松原: そうそうそう。あれがオスメスのオスのマークになってるんですよ。
最初○だけにしようと思ってたんだけど、もうちょっとユーモアきかそうと思って…
で、愛沢くんがあっちから出てきて、あっちにはけていくっていう導線を表現しようかな思って。実際工場内ってそうなってるんだって。なんか。いちおうそういう方向に行ってくださいっていうのがあるらしくって…で、まぁそういうものがあってもいいかなって。あ、そう、床面の装飾は今回初の試みかもしれない。
アサヒ: へぇー。…あぁー。愛沢スペース…それはちょっとわかんなかったっすね。
松原: そう。愛沢スペース。あの丸の中に収まっちゃってる愛沢君はちょっと間抜けだなっていう。
アサヒ: たしかに(笑)。
松原: まぁ、あと客席の装飾ももうちょっとがんばりたかったんだけど、時間がなかったから…
アサヒ: あぁ… じゃ逆にコレはもうちょっとやりたかったなっていうのは他に無いんですか?
松原: んー、あ、なんかね、やっぱあたしのフォントがよかった。
アサヒ: ボツになっちゃったけど(笑)
松原: うん(笑)。でもあの作業台はやっぱおもしろくないと思うな。ま、変ではないんだけど。まー、でも今回は… これ以上やっても変だし、これ以上やんなくても変だっていうちょうどいいポイントを提示できたのではないかと。
アサヒ: 黄色、白、黒で。
松原: そう。黄色、白、黒で。ま、うまくまとまってくれましたね。
アサヒ: あー、話を聞いてると面白いですね。
松原: 面白いですか。
アサヒ: はい。あ、じゃ公演終わったら何をしますか?
松原: とりあえずチンタオレコードで。
アサヒ: 宣伝しときますか。
松原: はい。みなさん是非見に来てください。
アサヒ: はい。ではありがとうございました。
松原: ありがとうございました。




そんな松原優子さんへのメッセージは、info@anjuta.netまで。





 

松原優子
yuko matzbara


アニュータの舞台をより豪華に、よりすばらしく仕上げていく、そんな技もばーまつさんだからこそできるのでしょう。このアニュータが終わった後はチンタオレコードへと大忙し。担当コーナー「Le frigo」も宜しくお願いします。




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